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Critic Gendai Guitar Magazine

 

ブエノス・アイレスの四季 CD

 

日本に居を定めてから今日に至るまでのブラーボの活躍ぶりは、読者なら本誌を通してよ くご存知のことと思う。数々のコンサートや、アルバムへの参加、出版など注目すべき活 動を数多く行っているが、現在入手可能なデフィスコグラフィーに自身のソロCDがなく、その発売を待ち焦がれていた方も多かろうが、期待を裏切らないすばらしいソロアルバムの登場となった。自国アルゼンチンのタンゴを中心としており、その卓越した技術を基盤に、リズムのノリ、アクセント、間の取り方など”お国のもの”ならではの絶妙な表情 が加えられている。そして歯切れの良い演奏もさることながら、〈冬〉〈想いの届く日〉などの抒情的な作品で見せる、極めて繊細でリリカルな表現は特筆ものである。彼の友人でもあるアギーレの組曲においてはチャカレーラなどフォルクローレの要素が組み込まれているが、民族的な表現においてもブラーボは非凡な演奏を繰り広げる。タンゴ、フォルクローレの両面において卓抜な演奏を展開するブラーボの、満を持したアルバムと言えるだろう。なお、一部の曲は現代ギター社より出版されている楽譜に掲載されているので参照していただきたい。

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